宮廷風アリアと舞曲

原題
Courtly Airs and Dances
作曲
Ron Nelson
演奏時間
12'00"(スコアに記載)
グレード
易 A - B - C - D- - E 難(うらかぜ基準)
音源
厚木西高校吹奏楽部「心に宿る永遠の三日月」(CAFUA)
楽譜出版社
LUDWIG Music

この曲は六つのルネサンス風舞曲で構成されている。

1.Intrada(イントラーダ)
"16~17世紀の祭り、もしくは行進曲風の序曲で、和声的にかかれたもの"をintradaという。この曲は作曲家であるネルソンがスコアにも記載してあるとおり、この曲のみをファンファーレとして用いても演奏可能である。トランペットからはじまる旋律に各楽器が付随していく、基本的なリズムを用いたファンファーレ風の音楽である。

2.Basse Danse(バースダンス)
15~16世紀にかけてフランスの宮廷で好まれた踊り。ゆっくりとしたテンポで床から足を話さずに踊る様子からこのような名前がつけられた。木管四重奏から金管四重奏へ、宮廷の貴婦人や貴族たちが滑らかに踊る様子を描いた旋律を受け継ぎ、Majesticallyの大団円のようなスケールで次の曲へと幕を引く。

3.Pavane(パヴァヌ)
スペインを起源とするゆったりとした踊りで、くじゃく(Pavo)をモチーフとした威厳に満ちた様子を踊り描く。まさにくじゃくの羽を広げるかのようなクラリネットのメロディーと威厳に満ちた静かで荘厳な金管アンサンブルで構成されている。

4.Saltarello(サルタレロ)
16世紀中期ごろからBasse Danse - Pavane - Gaillardeといった三曲で舞曲を構成するようになるが、Saltarelloはこの三曲目に当たるGaillardeと同じように、舞曲のナーハタンツ(緩やかなダンスのあとに踊られる三拍子の早いダンス)として踊られる。イタリア語のSaltare(跳躍する)という言葉の語源のとおり、ピッコロのリズミカルなメロディーが曲全体を通して流れている。

5.Salabande(サラバンド)
17~18世紀にヨーロッパで流行った舞曲で、三拍子の2拍目に置かれる長い音符と女性終止(旋律が二拍目で終わる)が特徴的。奏者が歌う声のハーモニーと管楽器のハーモニーが美しいサウンドを作り出す。

6.Allemande(アルマンド)
冒頭のIntradaの旋律をそのままに舞曲にしたイメージ。ゆったりとした二拍子の舞曲で構成されながら、最後はこの6曲全体の終曲として、きらびやかな金管のコラールで幕を閉じる。


非常に古風で特に奇をてらったハーモニーや構造もなく、取り付きやすい一曲だと思います。スコアにも書いてありますが、6曲通して演奏するだけでなく、いくつか曲を抜粋して小演奏会で演奏しても別段問題なく演奏できる、結構便利な曲だと思います。編成こそ大きいですが、うまくパートを割り振れば中編成程度のバンドでも苦なく演奏できると思います。

ここには書きませんでしたが、実は小曲のタイトルと国・地域、年代様式、曲想などは結構異なります。オリジナリティのある舞曲として演奏するのが好ましいのでしょうか。

(参考資料:「新音楽辞典」音楽の友社)